The Last Acres of the Internet

この度、NEORT++はエキソニモによる展覧会「The Last Acres of the Internet」を開催いたします。
ステートメント
エイチ、ティ、ティ、ピー、コロン、スラッシュ、スラッシュ、ダブル、ダブル、ダブル——。
かつてインターネットの探索は、アドレスを打ち込み、見知らぬ誰かの場所を訪ねることから始まった。自己紹介、日記、ゲストブック、リンク集。そこには個人が思い思いに築いた小さな場所があり、リンクをたどるたびに、その先に別の場所が開けていった。URLは情報の所在を示すと同時に、誰かがそこにいることを知らせる住所でもあった。
NEORT++で開催されるエキソニモの展覧会「The Last Acres of the Internet」は、この「住所」を、インターネットに残された「土地」として捉え直す試みである。いくらでも複製できるデータとは異なり、同じドメイン名を同時にふたつ登録することはできない。ドメインは、複製を前提とするインターネットに組み込まれた、数少ない希少性のひとつなのである。
「インターネットに残された最後の土地を所有しよう——あなたの本当の夢が、ここで実現する。」
荒野の写真と不動産広告を思わせる言葉で、《The Last Acres of the Internet》はその希少性における残された領域へと私たちを誘う。販売されるのは、ドメイン名として登録できる上限の63文字を使ったランダムな文字列に「.land」を付したアドレスだ。覚えられず、口頭で伝えることも難しい。短さと意味の明快さを価値としてきた市場において、ほとんど顧みられることのないこれらの名前が、ここでは未開拓な土地に見立てられ、売りに出される。
土地を購入することは、その未来を引き受けることでもある。買い手にはドメインを更新し、サイトを公開し続ける役割が託される。更新が途絶えればアドレスは失効し、作品への道筋も失われる。初期のネットアートの多くが経験してきたように、データが複製可能であることは、その場所の存続を保証しない。所有は一度の購入では完結せず、維持のための手入れを続けることで、はじめて保たれるのである。
会期中、NEORT++は地平線まで続くHTMLの荒野の土地を扱う、不動産代理店となる。ギャラリーは作品を展示する場であると同時に、区画を案内し、契約を仲介し、新たな地主を送り出す窓口へと姿を変える。ぜひ内見に訪れてほしい。
公式サイト
Artist

exonemo
千房けん輔と赤岩やえにより1996年に結成されたアーティスト・デュオ。インターネット黎明期から活動を展開し、現在はニューヨークを拠点とする。デジタルとアナログ、物理空間と情報空間という二つの領域を横断し、ネットワーク社会がもたらす変容を、鋭い批評性とユーモアを交えて表現し続けている。
アルス・エレクトロニカ「ゴールデン・ニカ」(2006年)、文化庁芸術選奨(2021年)など受賞多数。ホイットニー美術館でのオンラインプロジェクト(2019年)や東京都写真美術館での個展(2020年)といった主要美術館での発表に加え、インターネットカルチャーを物理的な体験へと翻訳し、世界30都市以上に波及した実験的なイベント「インターネットヤミ市」の主催など、既存のアートの枠組みを拡張する活動でも知られる。
Events
- upcoming2026.9.20 09:00 _ 2026.9.20 12:00
"The Last Acres of the Internet" オープニングレセプション
「The Last Acres of the Internet」のオープニングレセプションを開催します。 予約不要でどなたでもお越しいただけます。 東京都中央区日本橋馬喰町2-2-14 maruka 3FOn Site