Made in Contract
"Exhibition of Contract Art"
NFTの登場はデジタルアートのあり方を大きく変え、イラストや3DCGなど、これまでアートとしての評価が難しいとされていた作品群に価値を与えるに至りました。
しかし、それらの多くの作品はブロックチェーン上に取引履歴が保存されること以外、NFT以前のデジタルアートと何ら変わりありません。
これほど話題になったNFTはアートの何を革新するのでしょう?
本展では、NFTの持つ革新性として”スマートコントラクト”の存在に注目し、NFTをアートの新たなメディウムとして捉える3人の作家による展示を行います。
スマートコントラクトはブロックチェーン上で動き続けるプログラムであり、作家はこれを活用することで、作品取引などユーザーの行動の結果を作品自体に組み込むことが可能になります。
画像や映像などの確定された出力のメディウムではなく、また、サーバーにアップロードされた動的なプログラムとも異なる、ブロックチェーン技術をベースにした新しいメディウムです。
本展を通して、スマートコントラクトによって創られる新しいアート「Contract Art」の可能性を感じていただければと思います。
graphic design:WANG JIALAN
hasaquiによる展示評
https://www.dropbox.com/s/zcfch63eb9zgr9x/Made%20in%20Contract%E5%B1%95%E8%A9%95_hasaqui_JAN.13.2023_1.pdf
Artworks
Memory Disc
作品を見る"Memory Disc"は、メディアアーティストNIINOMIによるコンピューターシステムをアートとするプロジェクト"A SYSTEM"の第一弾作品であり、様々なattributesを記録した記憶媒体としてのCDを模した作品です。
marquee shelter
作品を見るmarquee shelterは廃止されたWebの技術をブロックチェーンに埋葬するプロジェクトです。作品のアニメーションはWebサイトを作るための技術HTMLの規格から廃止されたmarqueeタグのみを利用して作られています。それはブラウザのバージョンアップによって動きを止めてしまう可能性があり、作品はコントロール出来ない寿命を持ちます。永遠を期待されるブロックチェーンに生命を感じる仕掛けを施し、技術や命への考えを呼び起こします。
Receipt
作品を見るReceiptは、NFTを使ったコンセプチュアルアートです。支払う金額によって、ビジュアルが決まります。任意の金額を支払うことができます。1つの価格につき1つのトークンをmint(作成)することができます。描画するコードは全てブロックチェーン上に保存されています。取引そのものが、あなたのアートへの参加であることを示します。 NFTの価値の実態は、ブロックチェーン上のデータのやり取りであり、それを信頼することで多くの人に利用されるものとなっています。それは単なるレシートのようですが、作品と切り離された、ただの記録なのでしょうか?0xhaikuは行為の記憶そのものが新しいアートの価値だと考えます。
Recycle bin
作品を見るRecycle Binは、再生をテーマにしたNFTを使ったコンセプチュアルアートです。不要になったNFTをRecycle Binのアドレスに送ることで、NFTはBurn(廃棄)され、代わりにRecycle Bin(ゴミ箱)のジェネラティブアートNFTを手に入れることができます。送られたNFTを元に新しいアートが生成されます。過去と対峙する痛みと、再生への祈りが込められています。
Advertise
作品を見る"Advertise"は「検閲なしで好きなURLを宣伝できるサイネージ」を使用したプロジェクトです。URL投稿サイト(下記参照)から誰でもどこからでもURLを宣伝することができます。投稿に使用したウォレットには宣伝証明書NFTが送られます。
URLを投稿するためには「最後の投稿で支払われた金額」以上の料金 (+ガス代) が必要です。この金額は日本時間の0:00にリセットされます。また、短時間に複数の投稿があった時は、最も高い金額が支払われたURLが表示されます。その他のURLは表示されません場合があります。
展示期間中の収益はギャラリーに還元されます。HODL
作品を見るHODLは、保有期間に応じて成長するフルオンチェーンNFTで、その成長は、ウォレットから送金されるとリセットされます。
この作品は時間を伴うNFTの所有体験を通して、市場が決める客観的な価値とは異なる、所有者が感じる主観的な価値を表現する作品です。
Artists
NIINOMI
メディアアーティスト / NEORT株式会社代表。
プログラムをはじめとするコンピューターテクノロジーを駆使した新しいアートの可能性を探求する。
近年は、アルゴリズムによって機械的に出力をし続けるシステムそのものに美的価値を見出しており、”System as an Art”をテーマに作品制作を行う。bouze
アーティスト
1984年兵庫県生まれ。高校卒業後、吉本興業のタレント養成所NSC大阪校に入るも、紆余曲折を経て、多摩美術大学に入学。その後、中村勇吾率いるtha ltdを経て、現在は会社員の傍らブロックチェーンを軸とした表現活動を行っている。主な受賞に文化庁メディア芸術祭優秀賞、TDC賞RGB賞など。0xhaiku
アーティスト
エンジニアを経て、Web3におけるアートの可能性を試すために匿名で活動を始める。「誰もが参加できるアートの仕組み」を研究テーマとし、コンセプチュアルでありながらも詩的な表現の探求も進める。
Events
- ended2023.1.7 09:00 _ 2023.1.7 12:00
"Made in Contract" Opening Reception
"Made in Contract"のオープニングレセプションを開催します。 予約不要でどなたでもお越しいただけます。 東京都中央区日本橋馬喰町2-2-14 maruka 3F