inter [display]

kosaku namikawa, arata matsumoto, mokuは三人展"inter[display]"を開催します。
displayという英単語には、陳列という意味が含まれている。陳列という言葉を聞いてまず連想するのは、スーパーマーケットや百貨店など、小売店における商品の規則的な配置ではないだろうか。これらの配置は店によって恣意的に決定される。displayは展示とも訳せるが、両者間に本質的な差異はなく、その定義の境界を曖昧にする。スーパーマーケットの営業はそのまま展示となりうるし、その逆も然りである。
像の表示装置としてのディスプレイは、そのフレームの物理的、概念的性質の変遷が顕著に見てとれる。フレームは徐々に消失しながら、使用する主体へと近づいている。
またディスプレイという概念が登場して以降、それは短い期間で社会へと定着した。こと本展の作家をはじめとするデジタルネイティブ世代にとっては公然のメディアであり、フレームで区切られた世界は現実のものとして我々の人間生活に作用を及ぼす。SNSという新たな概念の登場によって生活が一変したことは記憶に新しいが、ハードとしてのディスプレイとその中で実装されたソフトが、我々の認識や価値基準を簡単に書き換えることはなんら想像に難くない。
本展がこうした現状の中にあって、ディスプレイというメディアについて再考するきっかけとなれば幸いだ。
Installation Support: Yuga Tsukuda, Kyo Imai
Frame Chain (Web)
Design: Yui Atarashi
Web Programming Support: Kazuki Yamaura
Artists
Kosaku Namikawa
2000年生まれ。Webやネットワーク、またインストールや施工、映像音響照明技術が好きで、メディア関連技術を活用した作品制作を行う。自身の制作や他アーティストの作品制作への多面的な関わりからネットワークやメディアの境界、展示行為に興味を持つ。未踏ジュニアスーパークリエイター、異能vation破壊的な挑戦部門採択、第2種電気工事士。
arata matsumoto
2000年生まれ。兵庫県出身。フリーランスのフロントエンドデベロッパとして活動する傍ら、メディア・アート作品の制作を行っている。自身の根源的な恐怖である無限という概念を、時間や死生といった観点から再構築することで、その恐怖を和らげることができるのではないかと画策している。
moku
2002年生まれ。日常生活の中で起きた体験を用いて制作を行っています。